交通安全・事故

①事故に遭わないために

中国の交通事情

a.右側通行
中国では、日本と反対の右側通行です。自転車通行に関しても、完全右側通行制度。

b.自動車優先
中国でも当然自動車運転中は、歩行者に注意しなければならないのですが、実質上は自動車が優先的に走っています。

c.混合交通
最近市街地では、歩行者・自転車・自動車区分通行されるよう整備されてきましたが、3者が混合で走っている道路も多数あります。

d.右折車注意
交差点赤信号も自動車は、右折可瀋陽市内では、多くの交差点が、信号に関係なく自動車が右折することが出来るので、横断歩道横断中も注意が必要です。

e.自動車専用
市内の幹線道路で、センターラインが黄色の2重線・歩道-車道間に柵がある・中央分離帯がある。これらの場所は、自動車優先となっています。ここでの横断 時の事故は、日本の高速道路横断と同様過失割合が自動車0横断者100と見なされます。

f.歩道が駐車場
瀋陽では、多くの場所で歩道に駐車場を設置している場所が見られます。当然歩道であっても自動車が駐車の為、進入してくるので注意が必要 です。

g.自転車の制限
中国では、12歳以下の児童が公道を自転車で、走行することは、禁止されています。

②安全の為に

a.交通規則遵守
 当然の事ですが、信号無視・横断歩道以外の横断等「あの人もやっている」からと言っても、「自分の身は自分で守る」の原則で、交通規則 を守ってください。

b.危険な車に近づかない 
歩道内で、駐車のための切り返し中の車。内輪差の大きな、バス等大型車両。路肩に停車している車(突然ドアが開く・発進) こ れら危険な車に近づかない配慮が必要です。

c.車道に降りない 
バス停でバスを待つ時など車道にはみ出さない。交差点で信号待ちの際も、必ず車道から一歩引いた歩道上で待つようにしてください。特 に冬場の凍結中は、自動車が予想外の挙動をするため注意が必要です。

d.青信号は注意信号 
信号が青であっても、信号無視の自転車・自動車、右折車両等路上には様々な危険があります。青信号は注意信号」充分周りの状況を確 認して下さい。自転車での交差点左折の際、直進信号に従って左折可能な交差点や、道路中央に「左折自転車一旦停止地帯」が設置されている場所があります が、出来ればこれを利用せず2段階左折をすることをお勧めします。

e.野次馬に加わらない
路上での交通事故が起こった際、人だかりが出来、お祭り騒ぎになっていますが、人が少なく加害者が逃げてしまった場合は、加害者 に仕立てられてしまう。人が多く車道に出て遠巻きに見ていて後続車に接触する等事故現場は危険が多いので、野次馬には加わらないようにして下さい。   

f.シートベルトの着用
 瀋陽では、一般道路も運転席・助手席のシートベルト着用が、法的に義務付けられています。(後部座席は義務なし。)

g.タクシー・バスの事故
近年タクシーの事故も増えています。特に夜間・郊外等速度の速い区間で乗車する場合は助手席を避けて比較的安全な運転席後部の座席に座るようにして下さ い。
バス乗車時も、できれば着席。込んでいる場合は将棋倒しに巻き込まれない場所に立つようにして下さい。

③事故に遭ったら

事故はいやな物。遭わないに越した事はありませんが、不幸にして事故に遭った場合には、冷 静に対応して下さい。

1)現場での対応現状維持 警察の現場検証の際物証が全てです。 道路の真ん中で、「後続車の妨げになる。」「危険回避のため。」等の理由があっても絶対に事故発生現場を動かさない。
例)接触して倒れた自転車・散乱した手荷物等

2)事後処理 警察の指示に従う
事故後の処理に関しては、事故処理係官に連絡した時点で、全て警察の管理下に置かれます。
後日相手方が、警察を通さず当事者同士の示談和解を持ちかけてき ても、対応せずに警察の指示に従って下さい。
(2004年5月の「中国道路交通法」の改正により、事故の際当事者同士の、示談和解が可能となりましたが、原則的には交通警察に届け出る必要がありま す。)
負傷した場合の処置
事故で負傷した場合、基本的には事故現場に留まって下さい。
(負傷の程度にも拠りますが)事故処理係官到着後、病院に行く等は、警官の指示に従って下さい。
又この際病院では、前払い診療が基本のため、事故直後連絡 した知人に現金を準備して貰ったほうがよいでしょう。
その後通院する場合も、病院の領収書・診断書は、警察に提出する必要書類となるので、必ず保管するよ うにして下さい。

④その他注意事項

1)被害にあっても充分な保証がされない。
中国の自動車保険制度は、2007年より自賠責と任意保険が統合されました。従い多くの車が日本で言う無保険の状態で路上を走っています。(自賠責のみ任 意保険なし)
また保険の免責は絶対金額でなく割合 で決められております。これは、賠償金額が増えると運転個人の支払金額が増えることを意味し、十分な補償が受けられな い結果となります。
日本で、海外旅行保険に加入しておくと安心です。

2)被害者と思ったら加害者に・・
歩道で後ろからぶつけられた。青信号横断中にぶつけられた。突然運転手が降りてきてえらい剣幕でまくし立てる。考えたくもないですが、こういう事もありま す。要するに相手は、自分の車が傷ついたので、修理代を要求する。こういう場合相手方にもそれなりの言い分がある場合が多いので、(自分に否が有ると思っ た場合は当て逃げする事が多い)この場合は、迷わず上記②事故に遭ったらの対応を取ってください。           

⑤車上狙い

近年、駐車中の車両からの盗難が多発しています。
傾向としては、国慶節・春節等、長期休暇前の1~2週間は、盗難多発の時期となります。
殆どが窓ガラスを割り、ロックを解除すると言う方法がとられ、小物入れ等もこじ開けられて、車内を物色さ れます。悪質な例では、物色後放火。
ピッキングによるロック解除はごくまれです。
一部のホテルの駐車場等では、駐車場管理人が車上狙いの為に周囲を監視し、車上狙いが管理人室で寛いでいる場合もありますので、十分な注意が必要です。
対策法としては、

・車内に留守番を置く。

・防犯装置の設置。(大音響を発する物)等が有りますが、万全の対策はありません。

・盗られては困る物は車内に置かない。

・車両保険を掛ける。

 等の受動的な対策のみとなります。